注意誘導のための視覚的注意のモデル化と手品鑑賞時の注視点計測に基づくモデルの評価

摘要

本研究では，ロボットによる人間の注意誘導を目指し，ボトムアップ要素である顕著性とトップダウン要素である顔·手·視線方向の関係を統合した視覚的注意モデルを提案した．手品動画を鑑賞する際の注視点計測に基づいた妥当性評価実験により，提案モデルは顕著性マップよりも人間の注意をよく表すことができることが確認された．本論文における実験では，視線方向の検出を行っていない．今後は，視線方向の検出を自動化し，リアルタイムに注意度マップを計算する手法を開発する．また，提案した注意度マップに基づいて，ロボット自身の動作が周囲の人間の注意に与える影響を推定することを目指す．