フロー熱電発電における酸化還元分子の輸送: 解析解の導出，物質輸送抵抗の決定とI-Vカーブの解釈

摘要

本研究では，電極表面（図3のx = 0）から主流（x > 0）に向かって定常濃度勾配が存在する系の解析を容易にするdiffusion layer approximationを用いて解析を進め，実験から決定可能な限界電流（I_(lim)，図4の-400 mVにおけるI）を変数に選ぶことで，図4中の解析解の導出を行った．この解析解を用いて，各I-Vカーブの形状をI_(lim)を用いてフィットすることに成功した（図4）．さらに，本系のI-Vカーブ形状が電気化学的な抵抗間のバランスに支配されていることを明らかにし，I-Vカーブ形状と系内の輸送現象の様態とを結びつけることができた．