管群を用いた水蒸気－空気混合気の凝縮熱伝達実験

摘要

近年，地球温暖化防止の観点から発電効率向上やCO_2排出量削減を実現する各種の新しい発電システムが提案されている．これらのシステムには水蒸気と不凝縮ガスの混合気を取扱う冷却凝縮器の採用を仮定しているものが多いが，このような冷却凝縮器は，水蒸気重量分率が比較的高く，発生凝縮水量も多い条件で運用されるとともに大型管群となることが予想される．従来，不凝縮ガス中の水蒸気凝縮時の熱·物質伝達特性に関する研究は，低水蒸気重量分率域と高水蒸気重量分率域を対象とした実験が多い一方で，上記冷却凝縮器で問題となる中間重量分率域での実験例はきわめて少ない状況である．本研究では，大型水平管群を用いた水蒸気重量分率10-50wt%の水蒸気－空気混合気の冷却·凝縮実験を行って系統的な熱伝達データを取得し，熱伝達と物質伝達のアナロジを仮定した熱交換量の計算値との比較により熱·物質伝達に及ぼす凝縮水挙動の影響について考察を行った．