沈降法を用いて作製したPbS量子ドット超格子膜の太陽電池への応用

摘要

高効率太陽電池を実現するため、量子ドット（QD）超格子太陽電池が研究されている。QD超格子構造中で形成された中間バンドではキャリアが高速で動けるようになるとともに、広範囲の波長の光が吸収可能となる。高均一の化学合成QDを溶媒中で沈降堆積させることで高密度な超格子構造が実現可能であるが、そのままでは長周期性が不足であり、かつQD間の面方位がランダムなことが、キャリア散乱の原因となる。我々はこれまで、テンプレート上にファセットつき化学合成QDを沈降させることで、面方位のそろった大面積の超格子膜の作製に成功した。本研究では、沈降法によって作製したQD超格子膜を用いて太陽電池を作製し、キャリア特性の観点から電池性能を調査した。