粒子線治療への応用にむけた電子飛跡型コンプトンカメラの開発Ⅶ

摘要

粒子線治療はブラッグピークを腫瘍の位置に合わせて、腫瘍細胞の遺伝子情報を破壊するがh治療法である。しかしながら、照射時の粒子線のブラッグピークと治療時に計画したピーク位置が一致しているかをリアルタイムに確認する方法が、現在確立されていない。そのため実際に照射位置が1-2 cmずれる可能性が報告されており、正常な細胞に損傷を与える恐れが示唆される。一般的な粒子線治療では107-9 cps程度の粒子線が患者に照射され、粒子線と人体との核反応により対消滅ガンマ線 (0.511 MeV)や即発ガンマ線(おもに数MeV程度)が発生する。我々はこれらのガンマ線を電子飛跡型コンプトンカメラ(ETCC)によりイメージングするリアルタイム照射位置モニタの開発を行っている。