遠隔コラボレーション支援システム「t-Room」における共有空間拡大手法の検討

摘要

テレビ電話やテレビ会議システムによる対話にとどまらない，さまざまな共同作業の支援を目的とする遠隔コラボレーション支援システムが数多く提案[1]～[8]されている．そうした中，空間重畳型の構成により視聴覚メディアの対称性を確保し，共同作業を支援することを目指して開発が進められているt-Room がある[9]．t-Room は空間重畳型のハードウェア構成に起因する，部屋空間の中心部において人物などの映像オブジェクトが実際よりも拡大される拡大出力と，複数のディスプレイに重複して出力される多重出力という2 点の問題を持つ[10]．これらの問題のためにt-Roomでは利用者の可動域（内部にある被写体の映像が，拡大出力や多重出力の問題がなく，適切に投影される領域）が部屋空間周辺部の壁面部付近のみに制限され，空間全体を共同作業に用いることが困難となっている．