身体認識研究に関する再現性の実験的検討

摘要

2000 年に入ってから様々な科学分野で再現性の問題が顕在化したことで, 再現性の危機(Replication crisis)という言葉が生まれ, 再現性を取り扱う研究が行われてきた. 特に, 世界中に衝撃を与えたのは, 2015 年の多国籍合同研究チームの報告である. 彼らの追試研究の対象となった分野は, 社会心理学分野であり, 規模が非常に大きかった. 追試の結果, 結果が再現したものは40%未満だったと報告された. この報告 は多くの議論を呼び, 当該研究のみに限っても活発な議論が起きた. そして, この報告に端を発した一連の問題は, 再現可能性問題として大きな研究トピックとなっている.