ワークショップの実施による住民意識の把握：中山道大湫宿の景観とまちづくりに関する研究 その2

摘要

対象物を公的部分、私的部分に分類し、さらに住民意識の観点も加えてまとめたものを図4に示す。公的部分では、特に設置物のうち、案内板のデザインは景観に合わず、電線や電柱は景観を損ねており修景が必要である。私的部分では、街道に面しての駐車車両や、建物側面壁のトタン貼の劣化などが景観の妨げとなっており、生活と景観の両立を模索する必要がある。住民は景観に多くの魅力を感じ町への愛着を持っている。今後の方向性として、公的部分では現在の町並を残すために屋根の色や形に対する形態の誘導、景観に合わない設置物の見直し、インフラ等の修景が必要である。私的部分では老朽化した建物の外観保全、住民意識を取り入れた景観と生活を両立させる建物改修の提案、個々でできる街道を豊かにする設置物の提案が必要である。そして、住民意識では、安心して修景が行える金銭的支援策の構築、居住の快適性を考えた仕組みづくりが必要となる。