ステルスプロジェクションにおける投影物体との同期機構に関する検討

摘要

近年，プロジェクションマッピングは様々な展示やエンターテインメントに用いられ，一般に知られるものとなった．また，自由に動かすことのできる実物体に対して映像投影を行うことで，その見た目を変化させる動的プロジェクションマッピングについても盛hに研究が行われている．しかし，従来の動的プロジェクションマッピングでは，高度な映像投影を実現するためにプロジェクタやカメラなどの機材が対象を取り囲むように配置されていた．これに対して，プロジェクションマッピングの狙いである，実世界中の映像が知覚させる現実感の付与や演出効果の向上を妨げてしまうことが指摘されている．そこで我々は，空中像の提示技術を応用した投影と動的プロジェクションマッピングを組み合わせたステルス投影システム(図1)を提案した．しかし，プロトタイプ実装時の機構ではユーザが把持して投影物体を動かせる位置と姿勢に制限があった．本研究では，この従来手法に対する投影物体との同期機構の改善を行い，その評価を行うことを目的とする．