掌摭膿疱症に対するマキサカルシトールローションの有効性の検討-夏季におけるコンプライアンスの向上を目指した治療の工夫： マキサカルシ卜一ルローション，クロベタゾ一ルプロピオン酸エステルクリーム·軟膏による併用療法-

摘要

掌摭膿疱症に対するマキサカルシトールローションの有効性を検討する目的で，平日はマキサカルシトールを塗布し，週末のみクロベタゾ一ルプロピオン酸エステルを塗布する併用療法を施行した。治療期間が夏季であったことから，外用剤の使用感ゃ患者のコンプライアンスを考慮し，被験薬であるマキサカルシトールはローションを選択した。また， 週末のみ塗布するクロベタゾールプロピオン酸エステルは，日中はクリーム，夜は軟膏を塗布し，その効果を検討した。その結果，紅斑，膿疱·小水疱，角化·鱗屑の全ての皮膚所見において，試験開始8週後でスコアの有意な低下が認められた（紅斑，膿疱·小水疱： p<0.05,角化·鱗屑：p<0.01,t検定)。また，皮膚所見合計スコアにおいても，8週後で有意な低下が認められた（p<0.01,t検定)。有用度は，「極めて有用」と「有用」の割合が73.3%であった。本試験の結果より，掌摭膿疱症に対するマキサカルシトールローションを用いた治療の有効性が確認された。また，夏季の掌摭膿疱症の治療として，平日はマキサカルシトール口一ション，週末の日中はクロベタゾールプロピオン酸ェステルクリーム， 夜は同軟膏を塗布した併用療法は，コンプライアンスの向上を目指した治療として有用であること力s推察された。