学術資料の調査·整理過程の検証と'逐次公開'の導入に関す る考察

摘要

本研究は,地域における学術資料の調查·整理の過程について検証し,現状及び課題を整理した上 で,従来とは異なる"逐次公開"という新しい手法·枠組みについて提案し,その意義や課題につい て考察するものである."逐次公開"とは,調査·整理過程で生成された情報を,その進涉状況にし たがって順次公開していく仕組みである.オープンサイエンスの観点からみると,本手法によって調 查·整理の初期段階から資料の存在が肯定され情報が共有されることで研究の根拠が明確となり,そ の過程が可視化されることで,生成されるデータに対する質·信頼性が評価され,第三者による検証 が可能になるという意義がある.