室内環境における清掃作業時及び作業後のPM2.5?PM10 濃度の経時変化: 福島第一原発近傍の住宅における清掃作業

摘要

政府は、東京電力福島第一原発事故で福島県内の４町村に出した避難指示を、帰還困難区域を除いて平成29 年3 月31 日と4 月1 日に一斉解除した。さらに、帰還困難区域の一部についても、令和3 年を目途に「復興拠点」として、居住を可能とすることを目指すとしている。住民の帰還及び居住にあたっては、住民が長い時間を過ごす自宅の室内汚染の状況を把握することが外部?内部被ばくによるリスクを評価する上で重要である。筆者らは、これまでに福島第一原発周辺の住宅室内のハウスダストやエアロゾル中の放射能の調査を行ってきた。本研究では、掃除中のエアロゾルの飛散とその後の沈降についての経時変化を把握し、帰還時の清掃作業や住まい方に有用な情報を得ることを目的とした。