信濃川下流域の河岸景観に関する研究　その2: 視点移動で生じる奥行き感による分析

摘要

前編で明らかにしてきたように、信濃川下流域の景観は、その土地成立が、街区形状や建物の大きさに影饗し、場所毎に異なった層の重なりを持つことで、奥行きのあるものとなっている。奥行き感は単純な川岸からの遠近で決まるのではなく、街区形状やそこに建つ建物のボリューム、位置関係、川の湾曲などの都市構造などが関わっている。信濃川の河岸景観は、川に沿った建物だけでなく、後背の都市構造にも関与することでつくり出されている景観であると言える。