人口減少社会における成熟期を迎えた郊外ニュータウンの現状と今後の展開について: その1　大阪府豊能郡豊能町を調査対象として

摘要

今回はアンケートによる回答から今の光風台の現象を考察した。成熟を迎えた郊外ニュータウンにおいて人口減少、高齢化は確実に進hでおり、住民自身が日々の日常の風景においてそれを肌で感じていることも伺えた。また高齢を迎えようとしている人々の持ち家の今後の継承は検討されていないのが現状である。地域の成熟や人口減少などによる転入者の減少と共に、第一世代の子供の世代がこの町に定住せず、またこの地に戻ることが少ないことがこの地域において高齢化率を高め、空き家の增加を含むまちの再生への循環に影響を与えていることが考えられる。今後の課題として、まちが再生·循環に至らず高齢者が増え、若い世代の転入が見込めない地域で衰退を避け住民が安心して定住できる地域のあり方を住民、自治体などが協力し模索する必要がある。高齢化の促進から町の財政も今後期待できる環境ではなく、自治体、行政頼みのまちづくりは明らかに転換期を迎えている。今後直面する課題は地域内の活動を含めたコミュニケーションなどソフト面とまばらに点在する私有地の空き地、空家の増加に対応する土地利用についてハード面からの検討も重要になると思われる。