非線形現象が生じた地震観測建物の動的相互作用解析（その２ 建物にひび割れが生じた杭支持建物の事例）

摘要

本報その２では、東北地方太平洋沖地震において建物にひび割れ被害が生じた杭支持建物のシミュレーション解析を行い、基礎入力動および相互作用の評価を行う。対象建物は、地上6階建て?地下無しの建物である。図1に伏図および軸組図を示す。平面形状は長辺約70m、短辺約25mの長方形であり、上部構造は長辺方向、短辺方向ともに一部耐震壁つきのラーメン構造である。地盤は、砂質土と粘性土の互層地盤であり、図2のように表層のせh断波速度は150～ 200m/s程度である。基礎は、杭基礎(場所打ち杭)で、杭径はΦ 1300～1800、杭先端深さはGL-57mである。