観光まちづくりに地域遺産を活かすためのジオパークの経緯と大学の連携体制のあり方―山陰海岸ジオパーク推進協議会を事例として―

摘要

地域活性化を図るために、大学がジオパーク推進協議会と連携する体制のあり方を、以下に提言する。①大学は全学で地域遺産を調査研究して掘り起こし、ジオサイトリストの作成に協力すること。②ジオサイトの保護保全と活用の可能性を示すモニタリングについて助言・提言すること。③エリア内の地質・地形のストーリーづくりや、各ジオサイトを巡るモデルコースの作成に協力すること。④ジオパークのマネジメントやマーケティング、地域遺産を活用したビジネス創出に支援すること。⑤地域で社会関係資本を築くために大学は、ジオパーク推進協議会と包括連携協定を締結し、構成団体として継続的に参画する体制を築くこと。大学がこれらの活動に参画することで、学術的な立場からジオサイトの保全管理計画に指針を与え、教育活動や人材育成を持続でき、地域活性化に取り組めるようになる。