Epstein-Barr virus-associated hemophagocytic lymphohistiocytosis in a ten-year-old girl accompanied by posterior reversible encephalopathy syndrome and disseminated herpes simplex virus infection

摘要

可逆性後頭葉白質脳症は通常臨床的には頭痛・痙攣・視覚障害等の神経症状で発症するしばしば認める疾患である．一方，播種性ヘルペス感染症は免疫不全患者で認める感染症である．今回我々は，EBウイルス関連血球貪食症候群に対するエトポシド・プレドニゾロン・シクロスポリンを用いた多剤併用化学療法中に，シクロスポリン関連可逆性後頭葉白質脳症と播種性ヘルペス感染症と診断された10歳女児を経験したので報告する．EBウイルス関連血球貪食症候群に対する併用療法は当初有効であったが，薬剤関連脳症と免疫抑制下での全身性感染症発症という重篤な合併症を認めた．シクロスポリン中止とアシクロビル・メチルプレドニゾロン投与により速やかな症状の回復を認めた．以上，本症例により，①有害事象が生じた際のEBウイルス関連血球貪食症候群に対する適切な治療法選択の難しさと，②血球貪食症候群関連脳症または可逆性後頭葉白質脳症による後遺症を回避するために早期診断が重要と考えられた．