Kodama Hideo：児玉英雄ギャラリー

摘要

自動車のデザインは、まずコンセプトを作ることから始まる。しかるのち、実際にデザイン作業で手を動かすことになる。このとき私が目指すのは、いかにそのコンセプトを明解な意図に沿った造形に仕上げるかということ。とにかくそこに腐心する。しかもそれは新しく、商品力を持ち、美しく、魅力的でなくてはならない。たとえ簡素であっても退屈なデザインであってはならない。一方で、ディテールや、複雑な面と緑で仕上げるという手法も最近は多く見受けられるが、私の好みではない。そんな私自身のルーツは、車に熱中した1950 年代から20年程の間のピニンフアリーナの作風にあるのかもしれない。当時の彼らの作品の数々は明快で、端正な美しさを備えた魅力があった。今の自分の目で見てもけっして古きを感じさせないのである。3月のジュネーヴ·ショーでのピニンフアリーナ·スタンドのアルファ·ロメオ·デュエットッタンクは、久々に彼らの作風を蘇らせており、感じ入るものがあった。