在宅医療の実際

摘要

時代の変遷とともに在宅医療が地域を包括したケアの観点からも重要な役割 を担うようになってきた. 在宅医療は1退院支援，2日常の療養支援，3急変時の対応，4看取り，の フェーズで多職種と連携しながら展開されるが，継続的?包括的に患者とその 家族を支援していく必要がある. 実際の訪問診療では，24時間対応をいかにして行っていくかが大きな課題とな るが，診療上のさまざまな工夫をしながら，まずは身近な患者でできるところ から，できる範囲で取り組んでいくのがよいであろう.在宅医療の体制在宅医療の役割を大きく4つのフェーズに分 けると，1退院支援，2日常の療養支援，3 急変時の対応，4看取り，ということになろう (表1). 国は「在宅医療の体制構築に係る指針」を 提示し，各都道府県はその指針に基づいて，医 療計画を策定することになるが，その際に地域 の実情を踏まえた課題や施策等を盛り込んだ形 で在宅医療の体制を構築していくことになる.