松山基範（その2）—古地磁気調査と寺田寅彦との関係

摘要

地学者列伝「松山基範-磁気層序学の開拓的研究」は，松山基範の著書?論文等をもとに2004年に著わされた（会田2004).その後2008年に没後50年記念行事（顕彰碑の建立）があり，さらに没後60年が近づくと，「チバニアン」が話題になった.チバニアンは中期更新世の新名称（2020年に決定）であり，その始まりは松山逆磁極期とブリユンヌ正磁極期の境界付近とされる.松山逆磁極期?ブリユンヌ正磁極期は，過去400万年間の地球磁場極性夕イム?スケールを発表する際に名前がつけられた(Cox et al. 1964).この間に山崎(2005)，前中(2006， 2007， 2018）， Maenaka (2009)， Kono (2007)，松山基範先生を顕彰する会(2009)，竹本(2011)，西村?西田(2011)などが松山基範を紹介している.