点滅映像の不快度推定法の高精度化と高速化

摘要

筆者は点滅映像によって引き起こされる不快度を推定する手法を開発し，2010年に報告した．しかし，実時間で不快度を推定するにはハイスペックCPUを複数搭載した高価なハードを要すとともに，長周期の大きな明滅と短周期の小さな明滅が同時に生じるような複雑な明滅パターンに対する不快度推定誤差が大きくなる問題点があった．これらを同時に解決する策として，網膜を地表，点滅を輝度の震動と見立て，地震におけるマグニチュードを周波数感度補正した上で計算することで，体感震度に相当する不快度を推定する新手法を開発した．本手法により，所要ハード規模が1／3以下になるとともに，複雑な明滅パターンに対する不快度推定誤差も1／3以下となった．