3次元軸対称磁界問題における双対影像法の一般化

摘要

有限要素法による電磁界解析は，電磁気工学に広く利用されている。有限要素法は1965年に電磁気問題に適用されて以来，今日では電気機器の設計にとって欠かすことのできないツールである。有限要素法は，有限領域の解析手法であるのに対し，電磁気工学の問題の多くは，開領域問題である。そのため1980年代～1990年代に開領域を扱うための多くの手法が開発された。2000年代に入ると，計算機の発展に伴い，研究者の興味は3次元問題へ移っていった。3次元問題の開領域のテクニックとして，無限要素や境界要素法と組み合わせる方法［6-8］が提案されてきた。本稿では，磁界問題におけるラプラス方程式の調和解の特性に注目することで，軸対称3次元問題における双対影像法とケルビン変換を統一的に理解する一般化法について議論する。