落書き犯罪の抑止のための防犯環境設計に関する基礎的研究－下北沢での落書き実態調査

摘要

本研究は，落書き犯罪に焦点をあて，その抑止を計画的側面から支援するため，まち全体を視野に入れ，防犯環境設計の基本原則である「監視性」·「接近性」·「領域性」·「逃走性」の4つの視点から落書き犯罪と都市の物的環境要素の因果関係を定量的に解明して，落書き犯罪を誘発する物的環境要因を探り出し，そして既往の防犯環境設計指針を念頭におきながら，それらを総合的に除去·改善していくための具体的な手法を導き出すことを最終的な目的としている．本報は，落書きの実態を把握するため，世田谷区下北沢地区で実施した調査結果について報告するものである．