固有値多重による多値変調光伝送方式の検討

摘要

分散性および非線形性を有する光ファイバ中を伝搬する過程において，非線形シュレディンガー方程式の随伴固有値方程式の固有値は変化しない．よって，固有値は理想的な情報キャリアであり，我々はこれまでに固有値変調に基づく光ファイバ伝送方式を提案してきた．本稿では，固有値多重による多値変調方式の検討を行った結果について報告する．まず，振幅およびパルス幅を変化させた矩形パルスを用いて固有値を多重化する方法について示す．また，逆散乱変換によって得られた2ソリトン解を用いて任意の2つの固有値を持つパルス波形を設計し，固有値多重を実現する方法について示す．