トライボロジーの活用lこよる攻めの潤滑管理

摘要

潤滑管理という言葉を聞いたことがある技術者はたくさんいるであろう。しかし実際に潤滑管理を実践している技術者はどれほどいるのであろうか。筆者は、技術セミナーなどで多くの技術者の方々にお話しする機会が多いので、その折、よく潤滑管理の最も基本であると考えている潤滑油の粘度測定について、実践（体験）の有無を問うようにしているが、ほとんどの参加者は粘度を測定したことはないと答える。潤滑管理については多くの企業ではほとんど注目されていない、関心がない、というのが現状のようである。これらのことから、筆者は何とか潤滑管理の効用をもっと多くの企業や技術者の方々に認識してもらい、実践に取り組んでもらいたいと考えている。設備管理は潤滑に始まり、潤滑に終わるといわれるくらい設備管理の最重要項目であるはずなのに、実際はそれほど認識されていないのが潤滑管理の現状ではないだろうか。本誌ではこれまでも潤滑管理の実践について幾度か紹介してきた。とくに前回はかなり詳細にその実践について紹介したつもりであるが、潤滑管理の普及のためにはこのような紹介を繰り返すことが必要であろうと思い、今回、また潤滑管理について紹介してみようと思う。