長尺FBG内分布センシングの精度向上と高速化に関する検討

摘要

近年，当研究室ではリフレクトメトリ技術の1つである光波コヒーレンス関数の合成法(SOCF)を長尺ファイバブラッググレーティング(FBG)内部のブラッグ波長分布を測定するセンシングシステムに応用し，FBGに沿った分布情報を取得することに成功した．この技術により分布型の歪·温度センサの実現が期待される．提案されたセンシングシステムを評価する上で十分な精度を有するシステムの構築にはより低反射率のFBGが要求されることがシミュレーションにより結論付けられたが，本論文ではこれを実験的に実証した結果を報告する．一方で長尺FBGの反射率の低下によりシステムのS/N比の劣化といった問題も予想されるため，これらの関係も簡単なモデルによって評価する．さらに本システムにおいて，1つの測定地点あたり1kHzのサンプリングレートでの高速測定を実験的に実現した結果についても報告する．