水中硫化物の自動分析

摘要

オートアナライザーを用いた水中硫化物の自動分析法の改良を行った。多孔質膜の透過性を利用して検水から発生した硫化水素ガスを分離し、メチレンブルー吸光光度法で検出し、自動的に比色定量するものである。その結果、検量線は0.1mgS/lまで直線性があり、検出限界値（S/N＝3）は0.002mgS/lであった。 分析における変動係数（n＝5）は0.004mgS/lで5.8％、0.074mgS/lで0.3％を示し、5つの環境水の回収率は80～98％であった。 本法では、硫化物は選択的に分析されることから、懸濁物質、色度成分、SCN~-、S_2O_3~(2-)を含む試料であっても分析を妨害しなかった。 また、本法では少量の検水（5.8ml）で1時間に20試料の分析が可能になった。