［身の回りに見つけるメカトロ雑学〕第79回 こむらがえりと駆動系の暴走対策

摘要

ある未明のこと、ふくらはぎの強い痛みで目が覚めました。足がつる、あるいは、こむらがえり、と呼ばれる、筋肉の異常な収縮です。何度か経験はあったので、そのうち収まるだろうと冷静にしばらく待って、痛みが引いてから寝直したのですが、これはある意味、本来の指令の通じない、アクチュエータ系の暴走事故です。こむらがえりの原因を見ると、夏の発汗でのミネラルバランスの変化や筋肉の収縮·伸張を計測する感覚器の機能低下などがありました。一方、筋肉の収縮原理を調べると、神経からの電気パルスにより筋肉の微細構造でカルシウムイオンが放出され、収縮を司る物質が変化して動作するようになる、らしいです（収縮動作はATPというエネルギー伝達に使われる物質を供給し続ければ継続しそう）。この原理だと、パルス出っぱなし·イオン出っぱなしが起きると筋肉が強力に収縮したままになりそうです（イオンを再回収する仕組みがあり、本来は刺激がなくなればイオン濃度が低下し、収縮が止まる）。前者は制御系や信号伝達系の不具合で起きそうで、センサ信号の不備も原因になり得ます。後者は作動部（あるいは末端の駆動回路）の機能不良といったところでしょうか。