東南アジアにおける環境災害リモートセンシング市場の動向

摘要

環境や災害を中心としたリモートセンシングは，ボランティアとしての国際貢献の側面が強く，利潤を生み出すビジネスにはなりにくいとの考え方が支配的であるが，環境を社会コストとしてどう組み込んでいくかという現在の国際風潮を踏まえると，適度な利潤をあげながら国際貢献につながるビジネスチャンスは十分に残されているし，それを目指すべきである．民間との協働支援に向けた大学の役割は，民間単独では難しい基盤的な技術開発を行うことである．総合科学技術会議での地理空間情報戦略をふまえ，目的志向型の研究開発と国際進出，国際的な流通性を目指したソフトウェア開発，環境監視におけるアジアとの連携の重要性，国際科学技術協力の必要性，スマートフォンなど新しいセンシングプラットフォームの利活用，空間情報の統合的ネットワーク化と社会知への変換をテーマに，東南アジアにおける森林，農業，災害といった分野を中心に，研究や実利用例を具体的な取り組み例を交えて紹介する．