摂動コプレーナ線路によって給電された電磁結合型直線状テーパスロットアンテナ

摘要

本論文では電磁結合により給電された直線状テーパスロットアンテナ素子について，その整合特性と放射特性に検討を加えている．本アンテナ素子では給電線路に摂動を与えたコプレーナ線路，すなわち，コプレーナ線路を結合スロット線路とみなしそれぞれの線路を異なる長さで地導体に短絡した線路を用い，誘電体基板片面共平面において電磁結合することで直線状テーパスロットアンテナ素子に給電を行っている．結果として（1）アンテナ素子と給電線路間の結合強度，整合周波数の制御が可能であった．次いで，（2）整合特性について等価回路を提案して回路パラメータを求め，（3）実験及び電磁界シミュレータによる特性と等価回路による特性とを比較検討した.また，（4）放射指向性は単方エンドファイヤ性を呈し，利得は8.1d乱交差偏淡は正両方向で－16dBを得た．以上から，本アンテナ素子が平面アンテナ素子として有用となり得ることが明らかとなった．