低アンテナ高基地局によるマイクロセルの見通し外時空間伝搬特性

摘要

近い将来の陸上移動通信のマルチメディア化に伴い，高速で高品質の無線通信システムが検討されている．しかし，無線伝送速度が高速であるほどマルチパスフエージングの影響が大きいため，このようなシステムを実現するためには，適応等化器やアダプティブアレーアンテナ等のマルチパスフェージング対策技術を講じる必要がある．また，伝送速度が数十Mbpsにも及ぶ第4世代移動通信を実現するためには，伝搬路の時空間特性を考慮した対策が必要になってくる．近年，等化器と結合したアダプティブアレーアンテナなどの時空間信号処理によるフェージング対策技術が検討されており，このハード設計や適応アルゴリズム開発を行ううえで，多重波の遅延特性及び到来方向特性など，伝搬路の時空間特性を明らかにすることが重要となっている．