カーネル主成分追跡の適応アルゴリズム

摘要

カーネル主成分分析（KPCA）の非線形固有ベクトルを同時に抽出する適応アルゴリズムを構築する．KPCAは，基本的に観測標本に対応する非線形関数の全てが基底を構成するため，観測標本数と同じ次元の固有値問題を解く必要がある．本稿では，KPCAを再定式化し，ユークリッド空間における表現を導く．そうすることで，一般化固有ベクトルを追跡する問題に帰着できることを示す．その上で，LMS型とRLS型の2種類の適応アルゴリズムを構築する．数値計算例を示すことで，本研究の主張を裏付ける．