小型内層デラミディスペンサーの開発

摘要

高粘度タイプの中味（粘度が数万以上）の容器としては，容器使用性や中味残量の観点から，①　 樹脂チューブ容器; ②　 広口樹脂容器; ③　 底上げ式容器＋ディスペンサー; ④　 内層デラミ容器＋ディスペンサー等が選定される。 ①～③の容器は化粧品からトイレタリー製品まで幅広く使われている。しかし④内層デラミ容器＋ディスペンサーは，1～3mL吐出量のディスペンサーと容器容量100～600ml程度の乳液やヘアトリートメント剤の組合せといった大型タイプでの市場実績は多数あるが，0.2ml吐出量のディスペンサーと容器容量30ml程度の美容液等の組合せといった小型タイプでの市場実績はほとんどない。 内層デラミ容器＋ディスペンサーは図1のような機構で中味を吐出するが小型タイプではディスペンサーの吸引力（吐出量）が弱いために内層が潰れる際に部分的にデラミが発生，ポンプ部分を圧迫し吐出が不可能になるなどのデラミ異常が発生する可能性が大型タイプに比べ高くなる。 今回はこうした問題点を改善し，使いきり状態まで安定な中味吐出ができる「小型内層デラミディスペンサー（ディスペンサー吐出量0.2mL，容器容量30mL）」の開発を行った。