電波資源の有効利用を目指すコグ二ティブ無線技術

摘要

無線通信システムのブロードバンド化が要求されているが，今後更にブロードバンド化を推進していくためには現状様々な問題がある．中でも特に深刻な問題が，今後標準化される新しいブロードノンドシステムに対して割り当てることができる周波数が不足しつつある問題である．2015年ごろにはチャネル当りの帯域幅が100MHzといった次世代携帯電話システムや無線LAN等も標準化される可能性がある．このようなシステムに対して，移動通信に適した6GHz帯以下に十分な周波数帯域があるとはいえない．この対策として，既存の無線通信システムを特定の周波数帯域に移行させ，新たに周波数を確保することも考えられるが，移行には時間とコストがかかり現実的ではない．以上の問題を現状の周波数割当を変更することなく解決し，かつ電波資源の有効利用を目指す技術がコグニティブ無線技術~((用語))である．本稿では，このコグニティブ無線技術の概要について解説を行う．