三次元画像処理の医療応用の動向

摘要

医用三次元画像は三次元空間の全体を人体の内部も含めて記録したものとみなされる．濃度値は人体組織の特性を表すが，イメージング装置によって内容は異なる．三次元画像は人体の計算機上への仮想化，すなわち，「仮想化（された）人体」である．本文では，まず，イメージングの代表としてX線撮影技術と医用画像利用の歴史，及び，最近のヘリカルCTの発展を簡単に述べる．次に，モデルとしての仮想化人体の意義，利用法としての仮想化人体環境の探索（ナビゲーション），変形操作（手術シミュレーションなど），実人体との共用（術中支援など），計算機診断（CAD）を，例を挙げながら簡単に記す．