AGCが化学プラントにデジタルツイン活用状態変化も再現し自動操業の足がかりに

摘要

AGCは、実環境を仮想空間上に再現するデジタルツインを活用した化学プラントの運用を、2023年4月からインドネシアで開始した。現地子会社で化学品製造·販売を手掛けるAsahimas Chemical（アサヒマス·ケミカル）の塩化ビニルモノマーのプラントに適用し、プラントの効率的な運用に役立てる。今後、同プラントでは2025年末までにデジタルツインと制御系を連携させて運転の自動化を進める。AGCは今回、オペレーターが可視化ツールを介してプラントの運転状態をリアルタイムに確認できる仕組みを開発した（図）。実際のプラントから取得した温度や圧力などの情報を基に、これまで取得できていないデータやリアルタイムでは分からなかったデータを含めて現状のプラントの状態をコンピューター上に再現している。運転状態の可視化により、正常運転からの逸脱や、計器や設備の異常を早期に発見できるようになる。加えて、2023年末までに機能を追加し、システム側で最適な運転計画を提示できるようにする。プラントを安定運転できれば、燃料ガスなどのエネルギー関連費用の削減が可能だ。同社はこれにより年間数億円の削減を見込む。