成人T細胞白血病に対するPTCYを用いた HLA半合致末梢血幹細胞移植

摘要

近年,移植後 cyclophosphamide 法(post-transplantation cyclophosphamide, PTCY)を用いた HLA 半合致 (HLA-haploidentical, haplo)血縁ドナーからの同種末梢血幹細胞移植(peripheral blood stem cell transplantation, PBSCT) (PTCY-haploPBSCT)が可能となったが,成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia, ATL)にお けるPTCY-haploPBSCTの有用性は確立されているとは言い難い。今回当施設で7症例と少数であるが， PTCY-haploPBSCTを行ったATL全症例を後方視的に調査した。移植後100日全生存率85.7,1年全生存率 68.6,1年累積再発率31.4,1年非再発死亡率17.1であった。Grade III以上の急性移植片対宿主病の day100時点累積発症率14.3,慢性移植片対宿主病の移植後1年累積発症率33.3であった。これらの成績 から,PTCY-haploPBSCTはATLにおいても有力な選択肢となりうることが示唆された。今後の知見集積,移 植成績向上が期待される。