レーザ超音波を用いた溶接部の検査·計測技術

摘要

レーザを照射することで超音波を励起させ、検査や計測に用いるレーザ超音波法は、基礎から応用にいたるまで過去多くの研究開発がおこなわれてきた。レーザ超音波法は、非接触で超音波を送受信可能であることから、欠陥検出などの非破壊検査、材料加工における材質特性評価、オンライン計測（インプロセスモニタリング）などへの産業応用がすすめられている。さらに、超音波の音速の温度依存性を利用して、高温物体の内部温度計測への応用も検討されている。このように、レーザ超音波法は、その潜在能力の高さから幅広い分野への適用が期待されている。とくに、溶接部の検査-計測への適用は、検査の自動化や高温部材のインプロセスモニタリングの観点からも注目されている。しかしながら、超音波の複数のモードの伝搬、散乱、減衰などの取り扱いやレーザ超音波装置の設備制約や操作性など考慮すベき課題も多く、未だ実用化例が少ないのが現状である。