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摘要

現在，世界の人口の3人に2人は都市で生活しているという.著者は，人はなぜ都市に集まるのかという問いに対し，経済的な利便性のほかに農村のコミュ二ティといった群れからの自立や，匿名性の確保といった個人の欲求の実現を答えのひとつとして挙ける.本書は，東京を主として日本および世界の都市形成の変遷や，日本人の古来からの自然観，人びとの持つ個と群れのバランスから生まれる「共生の思想」に迫り都市文化論を展開する.現代社会で複雑に絡み合う都市と自然と人間の共生関係を紐解くことが，これからの都市を形成していくための推進力になる.