意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症に遺伝 型ATTR型心臓アミロイドーシスを合併した1例

摘要

アミロイドーシスは前駆蛋白により複数の亜型に分類され る。Aしアミロイドーシスはモノクローナル免疫グロブリン (M蛋白)軽鎖を由来とし,血清や尿中にM蛋白を認める が,これらは意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症 (MGUS)でも検出されるため鑑別には注意を要する。今回, MGUS合併ATTRアミロイドーシスを経験したため報告す る。82歳男性。心不全症状を契機に心筋生検を行い, Congo-Red染色陽性,AL-A, ATTR陽性を認めた。血清免疫 固定法にてIgG-A型M蛋白陽性,骨髄中形質細胞4.8であ りAしアミロイドーシスの診断で当科へ紹介された。MD療 法を行ったが反応に乏しく,蛋白質量解析を行ったところ TTR陽性でありMGU S合併ATTRアミロイドーシスと診断 した。既報でもATTRアミロイドーシスにMGUSを合併し た例が報告されており,ALアミロイドーシスとの鑑別には 注意が必要である。