3.輸血現場における臨床検査技師の役割

摘要

「輸血」という医療行為には医師,看護師など様々な職業の人間が携わっている.我々,臨床検査技師もその一員である.輸血医療に占める臨床検査技師の主な役割はもちろん輸血検査である."安全な輸血医療"を提供するためには,"安全な血液製剤”を提供することから始まる.この安全な血液製剤を提供できるように"安全な輸血検査"を行うことが我々の仕事である.しかし,近年の臨床検査技師における輸血医療の役割はただ検査をしていればよいという状況ではなくなった.輸血管理加算が始まり,適切な血液製剤の使用についての管理も任される立場となった.また,輸血医療チームの一員として現場に赴き,現場の輸血環境について助言?指導をすることも役割に加わりつっある.つまり,臨床検査技師は輸血医療全体のマネージメントも求められていると考えられる.タスクシェアリングやチーム医療の理念の下,NSTやICT同様に輸血においても臨床検査技師が検査室内だけではなく,輸血の現場ひいては病院全体の輸血医療に求められる我々の役割はこれまで以上に重要になっていくことだろう.