養殖場におけるICTの活用と課題

摘要

近年,岩手県沿岸では,秋サケの不漁に伴う漁業協同組合 の経営状況の改善や震災により再整備された魚市場の活用 を図る必要に迫られたことから,30数年以来となる海面でのサーモン養殖が開始された.円安やウクライナ問題な どの国際情勢により輸入サーモンの供給量が減少したこと で,ギンザケなどの国内サーモンの価格が上昇しており, サーモン養殖拡大に向けた追い風になっているが,今後, 国内競争が激化する可能性から,収益を増やし経営を安定 ,させるためには,大規模化へ向けた取り組みが必要である.大規模養殖では人力に頼る管理体制では多くの養殖生 け簣を管理できないため,必然的にICTを活用した省力化 機器等の導入が必要となってくる.