ICTを活用した漁港水域での魚類養殖システムの構築と実証試験

摘要

我が国の指定漁港数と漁港地区に所属する登録動力漁 船数は，昭和55年に各々2,834地区，302,538隻であっ たのが，36年後の平成28年には各々2，827地区，170,457 隻となった1〉。この間の減少割合は，漁港数の0.2に 対して漁船数では43.7となり，漁港に比べ漁船が著 しく減少した。このため，漁港施設に囲まれた水面（以 下，「漁港水面」）の中には，利用の低下に伴って余裕が 生じている地区がある。また，水産庁は，令和2年度に 講じようとする施策の中で，「漁業者の減少や高齢化， 漁船の減少に対応するため，漁港機能の再編,集約化を 図ることにより，漁港水域の増養殖場としての活用等， 漁港施設の有効活用,多機能化を推進する」と記してお り，漁港ストツクの最大限の活用と漁村のにぎわいの創 出を目指すとしている。