AIを用いたパノラマX線画像からのカルテ入力支援システムの開発

摘要

医療ビッグデータの蓄積と人工知能（AI)技術の急速な 発展により，AIを用いた診断支援システムの研究開発が活 発に行われてきている。診断支援システムには，問診ゃ検 査結果などから自動的に可能性の高い疾患の診断病名を提 示するシステムや，X線画像から診断材料として重要な部 位を強調表示するシステムなどがあり，医療従事者の業務 負担軽減やより正確な診断に役立っている。たとえば，医 学論文や薬の特許情報などで構成される大規模なデータ ベースを学習した米IBM社のAIシステムであるWatson for Genomics (WfG)は，がんに関係する遺伝子の塩基配列の解析結果を入力することで，がん発症や進行に関係し ている可能性がある遺伝子変異の候補を発見し，さらには 根拠となるデータゃ抗がん剤の候補を提示することができる。