再発時に骨髄の高度線維化とPDGFRB転座を認 めた急性骨髄性白血病の1例

摘要

症例は60歳男性。Y-2年9月診断の,正常核型の急性骨 髄性白血病患者である。持病のため移植適応なく地固め療法 施行するもY-1年9月に再発。FLT3-ITDを認めたため, 再寛解導入後はギルテリチニブで治療していたが,血球減少 進行のためY年4月に当科入院。入院時,WBC 200/μl(Blast 2, Neu 28, Lym 68, Mono 2), Hb 9.2 g/ dZ, Pit 0.5万/μlと汎血球減少を認めた。肝脾腫なし。骨髄 は高度線維化のためdry tapに近かったが芽球を認め,染色 体分析でt(5;17) (q32;qll,2)転座,追加したFISH検査で PDGFRB遺伝子のスプリットシグナルを認めた。イマチニ ブ400 mg/日を4週間投与したが改善なく,Y年9月に死 亡。臨床像が非典型的なPDGFRB転座腫瘍ではチロシンキ ナーゼ阻害薬単剤治療は有効でない可能性が考えられた。