異体類による加入前スケトウダラ幼魚の捕食

摘要

太平洋系スケトウダラ（以下スケトウ）産卵親魚量は 2010年以降数年間に亘り30年来の最大水準にあったもの の再生産成功率は低水準にとどまつている（境ほカゝ， 2019).この要因として共食いに代表される密度依存的調 節が示唆されるが，それに加えて近年高い資源水準にある ソゥハチによる着底前幼魚の捕食の影響も漁業者らから指 摘されている.これまでの生命表の分析（船本ほか，未発 表）から，卵仔魚期と並んで幼魚期にあたる当歳5月-翌 春までの間にも大きな加入変動が起こることがわかってい る.アラスカ湾やベーリング海と異なり越冬時の飢餓や凍 死リスクは少ない一方，捕食に由来する死亡の詳細，すな わち「いつ，どこで，何が,どのくらい」スケトウ幼魚を 捕食しているのかは明らかとなっていない.演者らは.こ れまで道南-道東海域における各種の調査船調査により. スケトウ幼魚の捕食者を探索してきた.本講演においては 道南，道東海域でそれぞれ重要な捕食者である異体類のソ ゥハチとァブラガレイに関してこれまで得られている知見 を紹介する.