Brentuximab vedotin投与後にインスリン療法を要する高血糖を来した再発AITしの1例

摘要

【緒言】Brentuximab vedotin (BV)単剤投与後にインスリン 療法を要する高血糖を来したAITLの症例を報告する。【症 例】経口血糖降下薬のみでHbAlc 7前後に管理されていた 2型糖尿病を合併する81歳男性。CD30陽性再発AITLに対 し,殺細胞薬が投与できずBVを選択した。BV1コース後 に空腹時血糖517 mg/dl, HbAlc 10.2へ上昇し,BVにょ る高血糖と判断した。空腹時血中Cペプチドは0.45 ng/mZ (インスリン依存状態)であり,インスリン療法の導入を要 した。インスリン導入後も糖毒性は解除されず,BVは2 コースで中止したが,AITLは部分奏効を得ていた。インス リン漸減に伴う高血糖の再燃はなく,BV中止後3ヶ月で HbAlcは6台へ改善した。【考察】BVによる高血糖は, インスリン療法の導入を必要とし,糖毒性の解除が困難とな ることがあるため,注意を要する。