水産工学を取り巻く環境と今後の方向性

摘要

日本水産工学会（以降，本会と呼びます）が誕生して 30年を迎え，ここに発言する名誉を与えられ，誠にあ りがたく感謝に堪えません。_係諸氏のご努力に心から 感謝を申し上げます。水産工学会が誕生した年を同じく して日本増殖学会，日本水産海洋学会が発足したこと はご存じの方も多いと存じます。この30年で彼らは会 員数が2倍3倍にあがり，わが水産工学会は800人から 300人程度まで減少してしまいました。少子化が学会の 会員数減らしを増長させているとはいえ，この急激な減 少を説明しきれないところがあります。会員数だけが学 会の活力とは言えませんが，将来を見据えて，特に若い 研究者が現状でよいはずがなく，魅力ある，活力にあふ れた学会を目指すには，何が必要なのかを改めて考え， 将来どのような方向を目指していただきたいかを私なり に考えていることを説明させていただきます。