腸閉塞に対する緊急手術

摘要

腸閉塞は消化器診療において日常的に遭遇する急性 疾患である.手術治療不要な病態のことも多いが，機 を逃すと致死的な経過に至る重篤な例も稀ではなく， その点から外科医が診療の責任を担うことが多い.腸 閉塞の原因となる病態は多岐にわたるため，原疾患の 見極めを行うと同時に，脱水，続発する急性腎不全や 電解質異常に対する対症療法，および，嘔吐が危惧さ れる症例では経鼻胃管による減圧を直ちに開始する. 続発しうる腸管虚血ゃ消化管穿孔は生命予後に直結す る病状であり，これが疑われる症例ではその手術治療は一刻を争う.