医薬品の添付文書は,医薬品の適用を受ける患者の安全を確保し適正使用を図るために医薬関係者に対して必要な情報を提供する目的で,当該医薬品の製造販売業者により作成されている.その中には,副作用の未然回避,早期発見,重篤化回避に有用な注意事項として，副作用の初期症状や検査項目が明記されている.しかし,その内容は多岐にわたり,さらに日々更新され膨大?複雑化している.医師や薬剤師が,日常診療や業務の中で多剤併用される薬剤について,漏れることなく網羅的にフォローすることはもはや神業と言わざるを得ない状況である.膨大?複雑な情報の処理はICTが得意とするところであり,近年の電子カルテ普及に伴ってICTを活用した診療録の二次利用が可能になっている.我々は診療情報を収集して副作用症状や検査漏れなどの「シグナル」を自動的に監視，検出するためのシステムAVS(automatic vigilance system to detect and prevent adverse drug reactions)を開発した.
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